2016/04/22

プリンスが亡くなった

我が家の第一メディアはラジオである。今朝はまだ未明の布団の中、妻の声で起こされた。「プリンスが亡くなったってよ。ラジオでそう言ってる」。寝ぼけ眼に浮かんできたのは、学生時代からの心服の友、Mのヒゲ面であった。

プリンスには特別深い思い入れがある。今年の初めに亡くなったデビット・ボウイより、もっと言えば何年か前に亡くなったマイケル・ジャクソンより。それは、20代を共に過ごした前述のMの影響であった。

Mは生粋のプリンスフリークで、当時スノッブな学生だった私は、Mがプリンス好きだと知って、なんでえプリンスなんか、ただの人気歌手じゃないかと鼻息が荒かった(本当に鼻持ちならない...)。

学生時代を共に過ごしたMとは、その後、共に会社を起こすことになる。その会社では作業中にBGMをかけることが推奨され、MがかけるBGMは大抵がプリンスであった。

鼻持ちならないスノッブ学生だった私も、およそ10年間の会社生活の中で、「なんだよまたプリンスかよ」「へーこんな曲もあるの」「これ悪くないな」「なかなかいいね」「や、いい曲だな」「今日は1999をかけてくれ」「GoldExperienceは名盤だ」と変遷していった。

今宵は追悼とばかりに久しぶりにプリンスの曲を聴いた。なかなか泣き止まない生後二ヶ月足らずの三男坊を抱きながら。Mのヒゲ面を思い出して、初めはしんみりした気分でいたが、そこはプリンスの曲、勝手に身体が踊りだす。膝の上ではいつの間にやら泣き止んだ三男坊が、リズムに合わせて、うとうとしていた。